まずは、お知らせから。twitterでは書きましたが、5/4と5/5に熊本市現代美術館で、ひびのこづえさんのワークショップ「虫をつくろう」が開催されます。ぜひぜひ参加ください。きっと楽しいはず! (間に合った…)

で、絵本と家具のカーニバル。来て頂いたみなさん、ありがとうございます。5/5まで開催中です。

昨晩はトーク。急遽、第一部として、目黒さん、広松社長、デザイナー渡辺優さんの対談。渡辺さんは、WFシリーズとして、広松木工で子ども向けの家具をデザインされています。例えばこのキッズラビットチェアなど。御年80歳。お目にかかれて光栄でした。本当は、広松木工のデザインを担当されている森さん(ダカフェ森さんのお父さん)も登壇される予定でしたが… 後ろで見守ってらっしゃいました 笑。そして。遊びに来られたマザーハウスの山口絵理子さん(YouTube)も急遽おはなしを。濃厚な日。もちろん目黒さんと角野さんの対談も印象的で。

今回、ぼくの講義の一環で「あの人に贈りたい、大切な一冊」を学生たちに選んでもらいました。このトークを聞いていたら、その理由がなんとなく分かった学生がいるかもしれません。

魔女の宅急便(原作)の中で大切なキーワードを挙げるとしたら「魔法」「贈り物」「働くこと」「生きること」。

たったひとつの魔法「飛ぶこと」しかできないキキは、たったひとつしかできないために、様々な人たちと関わり、助けてもらい、生きていくことができます。もし、何でも魔法で解決できちゃったら、そこに濃厚な、そして自然な、他者との関わりは生まれません。何でもできなくていい。何でもできないからこそ、物語が成立するのです。

そしてキキは、その唯一の魔法で宅急便を始めます。キキの仕事は、誰かから誰かへと、想いの宿った「贈り物」を届けること。キキは魔法で想いを届けてくれる。それはでも、魔法があることが、仕事を成り立たせる絶対条件ではありません。

まず、誰かと誰かがいるということ。そしてその誰かが誰かのことを想っていること。だからこそ、仕事が成り立つのです。目黒さんが指摘したように、「あなたがいること」それが「贈り物」を成り立たせる、最も根源的な条件。その「贈り物」を届けたいと願ったキキは、魔法を仕事とすることができました。自分の「働きかた」を見つけることができたのです。

実は誰でも小さな魔法を持っています。身体はふわりとならなくても、ぼくらは空を飛び、時には地中深くもぐることができます。でも、キキがそうであったように、おとなになっていく過程で、魔法は弱まってしまいます。その時キキは、子どもに戻りました。自分の想いと真摯に対峙した。開き直り、おとなになったつもりになるのではなく。

寝付けない程の驚きや不思議、ひとりでトイレに行けなくなった恐しさ、枕元のほこりっぽい本棚の匂い、母親のひざの暖かみ、背中で感じた父親の寝息… 絵本を手にした時にすっと横ぎるそれらの感情は、魔法の入口なのです。

絵本を見つけて、触れて、開いて、とじて、そして再び元の世界に戻るということは、少なからずそういうことなのです。