trivial records

trivial recordsは2006年12月〜2011年7月に田北/triviaが綴っていたブログです。
すでに更新していませんが、アーカイブとして公開しています。

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昨日と今日はセンター試験の試験監督。朝から缶詰状態で疲労こんぱい。
3日前に渡された(とんでもなく)分厚いマニュアルにびっくりしたけど「予備」監督者ということで、のんきに構えて控え室に待機。…が、いきなり初日の1限目から名前を呼ばれ。体調をこわした先生が出てしまった。

マニュアルは「取扱注意」のシロモノなので内容は書けないけど、とにかく細かい取り決めがたくさん。「予備」という枕詞に安心して熟読はしておらず(自己責任)。他の先生と面識はなく、慣れない校舎だったので現場が想像できない。ぼくが担当する教室は160名くらい。ミスしたら全国ニュース…なんて思いながら久々に緊張。

試験中、時計をいぶかしげに見つめる子がいた。もしかしてと思ってマニュアルに目を通す。しばらく経って、その子の表情がますます曇ってきたので許可をもらって声をかけてみた。案の定、時計が壊れていた。大粒の涙がぼろぼろと…。マニュアルによると時計を貸してはいけないらしい。ので、少し工夫して対応。

終了後、その子はわざわざお礼を言いに来てくれた(できた子だ…)。他の教室では、体調が悪い中、懸命に我慢し続けた子も少なくなかったという。試験を受け始めた場合、退室すると追試は認められないからだ。全国55万人の公平性を保つが故の、緊張感あるドラマが様々。

一方、不思議な心地でもあり。まさか監督側に立つ日が来るとは。我が身となって分かったのは、少なくとも不正を見抜こうという気概じゃなかったこと。ぼくが受験した時もそうだったのかもしれない。監督者はいわば受験生と同席できる唯一の応援者だ。

今年から教育学部でも教えることになっている。「まちづくり基礎論」か「教育とコミュニケーションデザイン」という科目になると思う。今回センターを受けた人の中には志望者もいるだろう。二次試験もがんばってほしい。そして、困った時には遠慮しないで手をあげて。(3回受験に失敗した)先輩からのアドバイス。