trivial records

trivial recordsは2006年12月〜2011年7月に田北/triviaが綴っていたブログです。
すでに更新していませんが、アーカイブとして公開しています。

bifore

ビフォー

 

after

アフター(のちょっとまえ)

無料駐車場入口の植栽。早朝から施工。歩者共存道路の整備に併せて、(たくさんの方達のお力添えで)アスファルトをはつってもらって、植栽をしました。樹種は、コナラ、モミジ、シャクナゲ、ドウダンツツジ、ヤマモミジなど。落葉時にさみしくなるので、常緑の高木を1本or2本植えようかと話をしています。シラカシかな。。

地表にはコウライシバを。地元の方はコクマザサを…とおっしゃってたんだけど、ぼくのわがままを聞いて頂きました。コクマザサというのはこれ。実は近くの某有名温泉地はこれを多用してます。杖立でもここの温泉地の植栽を参考にしているところは多くて。でも違うんですよね。杖立は黒川(あ、言っちゃった)とは違う。それでも「雰囲気がアレだったらコクマザサ植えるから」と言われています。ここにコクマザサが植えられていたら、ぼくの力量がなかったということで…

…で、舗装を変えた時に白線が引かれる予定だったんですが、引かないようお願いしました。なるべく一体感が出るように。シバが5,6cm伸びたらしっくりくるかなぁ。。と考えてます。ここはぱっと少しだけ目に付く感じがいい。そういう意味でも土色ではないシバの自己主張くらいがちょうどいいかなぁと。ぽっこりラウンドさせて。

あとは、周囲のプランターを撤去・移植して(モナのパン箱がなぜここに?)、カーブミラーを1本に統一して、新しくしてもらうようお願いします。茶色に。できるかな。。若干不安だけど自分たちで塗ってでもここは茶色にすべき。で、サインを設置します。ビフォーにあった街灯が無くなったの分かります? 街灯を撤去しました。んでその電気をひっぱって、内照式のサインの設置を目指します。夜にぼぉっと赤く灯るような。

おそらくこの時もいくつかのハードルが出てくるはず。まずお金がかかりすぎるということ。これはお願いするしかない。。んで(サインの)色が無いということ。色が無いってのは本当はあり得ないんですけどね。取り引きしているメーカーさんにそういう色が無い、というのが正確です。ここは妥協したくないなぁ…と思っています。

特に田舎の風景をじっくり眺めるとディテールのコードが見えてきます。同じ材料や色が使われていたり、似たようなタイプフェイスだったり…。このほとんどは、統一感を出そうとした結果じゃなくて、そういうモノが調達しやすいからです。そして、そのモノの根拠となる情報が少ないからです。

さらに、ディテールを見る批評の目の少なさと未分業化(日本語まちがってるかも)のシステムも大きく関係していると思います。あ、黒川は違いますよ。あそこは(ほとんどが)美的マネジメントされた結果です。場所と見た目は田舎だけど、その構造は都市に近い。

確かに「調達しやすい」等の営みから「田舎らしさ」も出てくるし、どこにでもありそなコードが、そこの魅力となるケースもあります。しかし、そうじゃないことも多いにあります。それが大量消費社会であり、デザインがパソコンに支配された現代の大きな問題です。

全国どこの風景(印刷物等も然り)も似ている、安っぽい感じがする…という田舎の現実は、都市から染み出た上澄み液だけを取り入れたディテールの集積です。そうなると、結果的に都市とのクオリティの差が顕著になります。クオリティの差が魅力のジャマをするんです。そんなんやったら、こっち(都市)がおもろいわ、みたいな(関西弁の理由はなし)。

特に田舎の場合は、クオリティの差はディテールに宿っていると気にかけておいた方がいいと思います。最近そういうことをよく考えます。自戒も込めて。

話ずいぶんそれましたね。ここがきちんと変わって、きちんと管理ができれば、いろいろずいぶん変わる気はします。ご協力よろしくおねがいします。(失敗したらごめんなさい)