trivial records

trivial recordsは2006年12月〜2011年7月に田北/triviaが綴っていたブログです。
すでに更新していませんが、アーカイブとして公開しています。

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おひさしぶりでこんばんは。4月までみっちりスケジュールでめくるめく日々を送っています。

アタモとつぐみは今日から1週間、東京〜神奈川へ。人混み苦手なアタモ。初フライト?のつぐみ。かーなり心配ですが、まぁ楽しんで!と送り出す。東京クルー?のみなさん、困っている2人を見つけたら助けてあげてください。よろしく。笑
写真は、福岡空港にて。抱っこからおろした途端、突っ走るつぐみ。(思いやられる)

空港に2人を送ったあと、今泉へ。お天気おにいさん(高校の同級生)とA子さんの披露宴へ。2人をつなげたのはぼくだったので、挨拶をさせられる。懐かしい面々もちらほらで、とてもアットホームな楽しい式でした。最後の挨拶で、健康の大切さを語ったA子さん。挙式を迎えるにあたり、様々な思いが交錯したのではないかと察するに余りあり。2人と家族の幸せを心から願うと同時に、自らを省みた大切な一瞬となりました。ありがとう。

その後、天神で某打ち合わせを終えた後、「宮沢賢治の贈りもの」@アルティアムの最終日にすべりこみ。
本展のテーマになっている「他者への愛」。展示の中で宮澤和樹氏が賢治氏の著書から引用していた「世界がぜんたい幸福にならないうちは、個人の幸福はありえない」という言葉が、その有り様を表していた。

氏の思想は、おそらく現代を生きる上での非常に大切な切り口で。世界の情報が日常に介入してくるグローバリゼーション。その中で、他者への愛が深い人ほど、世の歪みを知ることになり、自らに過度な責務を課してしまうパラドックス。世の歪みと他者のつらい境遇を知った愛深き人は日々葛藤し、悩み、一方、他者への愛に乏しい人は限られた情報の中で安寧に止まる。

我が娘をどう育てようかと考えたとき、インターネットなんか教えずに、半径3mで情報を遮断させた方がいいのではないかと思う時がある。「世界を知れ!」なんてとても言えない。でもそれは一方で、親のワガママであることもよく分かる。今のぼくらには、姜尚中さん(高校の先輩)が説くように、「悩め!」としかいえないし、先に悩みの種を探しだし、あらかじめひとつひとつ潰していくしかない。

triviaを始めた9年前、とある方に「お前は何を目指してるの?」と聞かれたときに「世界平和です」と答えて、鼻で笑われたことがある。笑われた理由もよく分かるが、笑ってほしくなかったという強い思いが同時にあった。他者の幸せを願い、自らの創造力を他者との関係の中で成立させる道を選んだ以上、「世界平和」を目指さざるを得ないんじゃないかと。でないと、ウソだろと。

ガラス箱の中の賢治氏の筆跡は、ぼくには遠く及ばない。憧れに似た感情を抱き、会場を後にした。