trivial records

trivial recordsは2006年12月〜2011年7月に田北/triviaが綴っていたブログです。
すでに更新していませんが、アーカイブとして公開しています。

20090127-R0012959.jpg

先週は、諫早(一泊)→長崎→帰宅→熊本→南阿蘇→帰宅→北九州(一泊)→福岡→帰宅→南阿蘇→帰宅→都城(一泊)→熊本(一泊)→帰宅。今週も移動、移動の日々。あわせて知りたい、知りたい、の日々。勉強したくてたまらない。ここ数年、アウトプットばかりで、溜まりに溜まったストレスが一気にあふれている感じ。車には本6冊と語学CD4枚を積んで。移動中はCDを流し、わずかな空き時間は気分に合わせて乱読。時間がないなんて言ってられない。

今日のランチは博多にて。某アートNPOのK女史と打ち合わせを兼ねながら。その後、太宰府に移動。天満宮内の宝物殿で、V社のMさん、I田化学のEさん、富良野塾のTさんと合流。Tさんは、先日放送された某ドラマの次の展開を見つけに来られた。抹茶に舌鼓を打ちながら、沖縄の某島で始まるプロジェクトの情報共有。そして、ためになるお話もろもろ。

打ち合わせ後、国博へ。「工芸のいま 伝統と創造」を鑑賞。昨日、オバマ氏のナショナル・アイデンティティがんがんの演説を聞いた後「それに引きかえ我が国は…」なんて落ち込んだけど、この展示みたら吹っ飛んだ。これ、行くべきですよ。

写真まちがっちゃったけど、そのままで。

Happy Birthday

とあるショッピングモールでつぐみを抱っこしてたら、下に降りたがる。床におろすと、トコトコと危なっかしく10m以上戻り、何かを拾っている様子。それをぼくに差し出してにっこり。彼女の手には3cm程の小さなヘアピン。抱っこしている間に落とした自分のヘアピンを拾いにいったのだ。昨日で1年。しらずしらずのうちに成長する、彼女の小さな小さな振る舞いは、濃密に心に刻まれる。

SONYのハンディカムのサイトがよくできている。よくできている、というのはぼくらの当たり前の気持ちに忠実なコンテンツだからだ。子どもたちの小さな振る舞いが、小さな幸せの蓄積が、人間としてのぼくらの感性を揺さぶる。

現在、戦火に見舞われている人たちも同じである。違うはずがない。1日1分1秒の子どもたちの振る舞いが、濃密に心に刻まれながら、ぼくらと同じ日常を生きている。わが子が担う未来に思いを馳せながら、励まされながら。時折聞こえる子どもたちの笑い声がうっすらと脳裏を横切りながら。それらがごくごく普通に、日常を構成しているに違いないのだ。

それを脅かす権利は誰にもない。ましてや国家や政治という「システム」に、人間の生を掌る当たり前の権利が脅かされるなんて、あり得ない。あり得ないはずではなかったか。人間の生を肯定するシステムでないなら、いったい国家とは何だろう。政治とは何だろう。

ぼくらはグローバリゼーションのさなかに生きている。体裁としての自由(特権)を獲得した人間は、何かを誤解してしまっている。生の本質は、メインストリームには既にない。ローカルにしかない。足下にしかない。あなたと隣の人との関係、そして同じ営みに一喜一憂する他人への「思いやりの強さ」にしか存在しない。

デザインも同じである。形骸化したメインストリームに憧れている限り、そこにデザインの本質はない。本質は、日本の田舎にあり、世界の田舎にある。目指すべきは決して中央の美意識を前提にした「底上げ」ではない。デザイン哲学が風任せの経済格差を基盤にするなら、そんなものいらない。「あなたじゃなくても」誰かが考える。

「ローカルの営みから得られる幸福感」をメインストリームに染み出させることが、おそらくぼくらの世代に課せられた使命だと思う。

デザインとは、そしてぼくにとっての「まちづくり」とは、個々人の幸福感を注意深く観察しながら、対象コミュニティの幸福度を向上させる所作に他ならない。手段と「見てくれ」は二の次である。というより、手段と「見てくれ」は必然的に決まる。自分の役割も自然と決まる。

その営みが倫理性の伴わない市場経済と共生できるのか、真面目に対峙すればするほど「個の強さ」が要求されるグローバリゼーションの悲劇は、宗教に頼らず解決可能なのか。さらに徹底的に考え、自分なりの実践をしていきたいと思う。遅ればせながらの2009年、ではなく、これから10年の目標。

KALAVAN

年末から飛び込んできたニュースを耳にしていたら、メリークリスマスも新年の挨拶もなかなか書けずに時が過ぎてしまいました。。

時間がないので取り急ぎお知らせを。熊本近郊の方はぜひ。ぼくも今から行きます。

+

■■■■以下、メールからの転載です■■■■

■■■
■■  ガザの平和を願い、辛島公園で緊急にピースキャンドルを行います。
■    1月12日(月) 19時〜20時

ガザで起こっている悲劇を、私たちは遠い他国のこととして傍観できません。
ガザの平和を願い、辛島公園で緊急にピースキャンドルを行います。

このピースキャンドルは、ガザでの平和を願う人たちの自発的な集まりです。
楽器を持ち寄って音楽を奏でたり、トークしたり、キャンドルを灯したりと、思い思いの形でアピールしましょう。
たくさんの皆さんの参加をお待ちしております。

日時: 1月12日(月) 19時〜20時
(準備に手が足りません。手伝い可能は方は18時に集合してください。)
場所: 熊本市辛島公園
主催: ガザの平和を願うピースキャンドル熊本
(実行委員長 山口まさみ)
連絡先: 090-6421-9270 kfutami@ybb.ne.jp 事務局・二見

■実行委員長・山口まさみ からの呼びかけ
私には6歳と2歳の二人の小さい子供がいます。
平穏の中で子供を産み、育てることがなによりも平和な世の中を作っていくものだと思います。
しかし、今この瞬間にも最前線に置かれているガザの子供や女性達は恐怖に直面しています。
早く攻撃を止めたい!私たちにできることは、声を上げること。
母親として、人として無関心ではいられません。
ガザの惨状を憂い、平和を願う想いをみんなで共有したいと思います。
熊本で緊急のピースキャンドルを開催します。
ぜひお友達を誘って参加してください!

■お願い
準備に人が足りません。お手伝いして頂ける方は18時に辛島公園に集合願います。

■ピースキャンドルの内容

現地の状況を知ろう:
現地の映像と写真をプロジェクターで上映します。
正視に堪えない映像もありますが、”実際にガザで起こっていること”です。
日本のテレビでは流れない現地の惨状をみんなで共有しましょう。

オープンマイク:
会場へ集まった人が、自分の想いを伝えるオープンマイクを行います。
熱く語るも良し、楽器を奏でるも良し、自分の想いをそれぞれのスタイルでアピールしましょう。
参加者は当日会場で受け付けます。

平和を願うキャンドル点灯:
ガザの平和を願うキャンドルを参加者全員で点灯します。
犠牲者を追悼し、全員で平和を願います。

メッセージを送ろう:
会場で2枚のメッセージカードを書きます。
一枚はイスラエル大使あて。もう一枚は麻生総理大臣あてに送ります。
当日のピースキャンドルに参加できないは下記にメッセージを送っていただくと一緒に郵送します。

〒861-4125 熊本県熊本市奥古閑町1729 真行寺
FAX 096-223-2615 メール fragile@kb4.so-net.ne.jp (藤岡)

 

■1月12日(月)のタイムテーブル
18:00 準備開始
テント設営、音響設置、プロジェクター準備
18:40 土井敏邦さんのドキュメンタリー映像「ガザ封鎖」上映
19:00 ピースキャンドルスタート

趣旨説明(3分)
実行委員長あいさつ(2分)
ガザの現地からの映像を上映(10分)
参加者のリレートーク・アピール(一人数分X10名程度)
犠牲者のためのキャンドル点灯(5分)
メッセージカード記入(5分)

20:00 終了・後片付け

 

■現地で何が起こっているのか?
昨年末からイスラエルは圧倒的な軍事力でガザを空爆し、さらに地上軍を投入して市街戦を繰り広げています。
ガザには150万人が住んでおり、これは福岡市とほぼ同じ面積と人口です。
こんな人口密集地に大規模な爆撃を繰り返すのだから、イスラエル軍のガザへの攻撃は一般人を巻き込んで壮絶な状況になっています。

現地から伝えられる惨状はぞっとします。

「少女たちの体はバラバラに引きちぎられ、通りの端から端まで飛び散った。通りにも死体が、腕が、脚が散らばっている。靴をはいている足、はいていない足。ガザ市全域が恐怖とパニックと混乱に包まれている。」
「病院の廊下はまるで屠畜場だ。いかなる想像も及ばない、どんなホラー映画もしのぐ光景。床は一面、血の海で、負傷者は壁にもたせかけられたり、死んだ人と隣合わせで床に寝かされたりしている!」

ガザの病院で治療にあたる医師からの現地の声も惨状を伝えています。
http://www.sueddeutsche.de/politik/752/453443/text/ 訳責:梶村太一郎

ギルベルト医師:
激しく爆撃されている。この48時間は大変に厳しかった。ガザ市の野菜市
場への攻撃で多数の死傷者が出た。今日病院に運ばれた210人の負傷者の
内だけでも35人が救急部門で死亡した。死者の内で18人が9歳以下の子
供たちだ。私たちは次から次へと切断手術を続けている。廊下は切断手術を
受けた患者でいっぱいだ。私はすでに手術をいくらしたか数えられない。

今日、私はひとりの子供の手を切断手術した。この子は家族のうち11人を
失っている。私たちのところに九ヶ月の赤ん坊がいるが、この子の家族
は全員がイスラエルによって殺された。市民の犠牲者の数は急激に増加して
いる。月曜日の晩には死者は540人、負傷者は2550人だった。死者の
30パーセントと、負傷者の45パーセントが女性と子供だ。これまでで、
子供の死者は117人、負傷者は744人だ。

今日は救急車二台が襲撃された。二人の救助隊員が殺されたが、彼らは
狙われて攻撃されている。シーファ病院の隣のモスク(イスラム寺院)が空
襲された。そのため病院の窓ガラスがすべて割れてしまった。今は外の気温
は摂氏7度だから患者全員が震えている。医師や看護人ももちろん同じだ
が。これら全てが理解を絶することだ。

■■■■以上、転載終わり■■■■

+

写真は、昨日訪れた長崎県美術館にて。
「平和」と真摯に対峙し続けるカラヴァンの作品から。

長崎県美術館:http://www.nagasaki-museum.jp
ダニ・カラヴァン展:http://www.nagasaki-museum.jp/whats_new/kikaku/