trivial records

trivial recordsは2006年12月〜2011年7月に田北/triviaが綴っていたブログです。
すでに更新していませんが、アーカイブとして公開しています。

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昨日今日と、教育学部の学生からメールが多いなぁと思ったら、指導を希望する教員の部屋を訪ねる期間らしい。「学部で教えること」と「研究室を持つこと」とはイコールなのだろうか。想定外

講義の方は、受講生も決まり本格的に開始。albus(アルバス写真ラボ) とフジフィルムさんとで進める演習「まちの写真屋を考える」では、twitterのハッシュタグを使って、ヒアリングやフィールドワーク、エスキースの中で出てきた印象的な言葉を綴っています。こちら #ThinkPhoto。

演習のある金曜日に(なるべく)つぶやきますので、よかったらご覧ください。問題意識を発信していくため、そして今後のアイディア帳として使うことが目的です。

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明日から広松木工(天神店)にて「絵本と家具のカーニバル」が始まります。今日は設営。先の日記に書いたように、教育学部の講義の一環で、学生14名に参加してもらっています。

当初は選書のみの予定だったんですが、「あの人に贈りたい、大切な一冊」をテーマに絵本を選び、それにまつわるエピソードや紹介文を一緒に展示することに。また、各ワークショップの終了後には、子どもたちに「読み語り」をしてもらうことになりました。遊びにいらしてくださいませ。

広松木工1Fに併設するILLUMSは、9日までの営業とか。閉店セールが開催されていました。ちらっと覗きましたが、bodumのコーヒーメーカーやマグ等を中心に、iitalaのタンブラー・ボウル、ALABIAの器、マクラーレンのベビーカー等もセールに。汎用性が高そうな木製のディスプレイ棚もあり。お好きな方はうれしいかも。

写真は、設営の合間に目黒さんに「絵本のいろは」をレクチャーしてもらっている様子。

 

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設営の合間に、読み語りの練習中。

 

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練習中?

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まずはお知らせから。

4/19(月)に、アサヒ・アート・フェスティバル(AAF)主催のAAF café vol.5 に出演します。詳細はこちらこちら。
東京近郊の方はぜひいらしてくださいね。

twitterをぼちぼち始めました。こちら。
実は別アカウントで使った後に、しばし遠のいていたんですけど、今年はいろいろと動きがあるので再度アカウントを作りました。ブログが更新できないときはこちらでつぶやいていきます。時折のぞいてみてください。ただし、mixi同様、頻繁に眺めているわけではありません(多くて1日3回程度。mixiは3日に1回程度)。返信等遅れることもありますが、ご了承を…。

「福岡テンジン大学」のブログを開設しました。こちら。
シブヤ大学の姉妹校。9月に開校予定です。10人くらいのスタッフで準備を始めています。ぼくは当分、学長:岩永くん(@ greenbird)をサポートする感じで動きます。九大ともつながりを作っていく予定。面白い動きになりそうなんで、チェックしてみてください。twitterはこちら。学長が更新しています。ちなみに、ロゴマークは石川さんのデザイン。石川さんもメンバーのおひとり。

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さて。
昨日今日と会議・雑務三昧…。学内でぼくが出なくてはいけない会議がどれくらいあるかというと… 統合新領域学府の教授会、ユーザー感性学専攻の専攻運営会議、人間環境学研究院の教授会、

研究院の情報化委員会、同研究院のIO委員会、人間環境学府の教授会、教育学部門の部門会議、教育学部の教授会、同学部の情報システム委員会、感性融合デザインセンター委員会。

その他、ユーザー感性学専攻の施設ディレクター(部屋のレイアウト、管理運用等)、ネットワーク支線管理者・情報ディレクター(120個のIPアドレスと40台のiMac、周辺機器、メーリングリスト、ホームページ、共有サーバの管理運用…)、PTL(演習)・インターンシップの開発、学生の相談窓口?も担当しているので、他の会議にもオブザーバーで顔を出したりしています。昨日は電話での対応も多く、声がかれそう。

まぁ、もちろんこんな状況はぼくだけはないわけです。他の先生方も少なからずこういう状況であって。旧帝大の恐ろしさ?を痛感している次第。事務の方も大変!いつも助けてもらっています。感謝。2年目を迎えて、うちの専攻(ユーザー感性学専攻)の学生も倍の80名程度に増えて、ずいぶん賑やかになりました。なのでなおさら… 略。

昨年度の振り返りもままなりませんが、すでに今年度の講義・演習が始まったので、紹介しておきます。学生向け情報も兼ねつつ。シラバスが追いついてないし…。

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今年度から教育学部でも教えます。前期(学部2年生対象)に「教育学文献購読」、後期(学部2〜4年生対象)に「まちづくり基礎論」。「教育とコミュニケーションデザイン」は、今年度は開講しません(多忙なため…)。

「教育学文献購読」は昨日から始まりました。5人の教員が担当、ということだったのでリレー方式だと思ってたら、50人の学生が5つのグループに分かれて、1人の教員が15コマ担当するんだそうで…。あせって、計画を練り直したところ。とある先生から「何でもやっていいよ」という心強い?助言を頂いたので、「本を読むこと」をはみ出す感じで考えています。

最初のテーマは「贈り物としての絵本」。前半に幾つかの絵本をピックアップして、絵本の魅力、絵本とは何かについて、読み聞かせも取り入れながら、ワークショップ形式で議論していきます。そして、近々広松木工さんで開催される「絵本と家具のカーニバル」 (リンク先修正しました)の選書を手伝ってもらいます。

最終的に、絵本をプレゼントしたい人を思い浮かべながら、1つの絵本を選んでもらいます。要は、デザインです。自分の思いを絵本を手段として伝える。その感触を体験してほしい。

後半は、「『こうのとりのゆりかご』を見つめて」、あるいは、3月に発行された「こうのとりのゆりかご検証会議・最終報告『こうのとりのゆりかご』が問いかけるもの」を読みます。特に前者は、全国の人が読むべきなのに、熊本の書店にしか置いていない本…。

まずは「ゆりかご」の実態を知ってもらう。実際に関係者のお話も聞く予定。そして教育的側面の問題を中心に、何が問題なのかを議論してもらう。最終的に「自分ができること」を探してもらいます。問題を当事者として考えてもらうこと、そして、その中で「自分ができること」を見極めてもらいます。

今日は、オリエンテーションということで、受講希望者を募りました。結果、人数をかなりオーバーしてしまったので、絞らせてもらいました。短い時間で選んだので「運」です。受講できない人には大変申し訳ないですが、了承ください…。

後期の「まちづくり基礎論」は全学共通科目ということで、教育学部ではない他学部の学生も受講できます。まちづくりに興味のある学生は、ぜひ受講ください。こちらは人数制限がありませんので「教育学文献購読」を受講できなかった人もフォローできる内容を考えています。

まちづくりの基礎、ということで、「まちづくり」という言葉が最初に使われはじめた都市計画分野、そして景観計画や景観法あたりも触れます。福岡テンジン大学との絡みも講義の中に盛り込んでいきます。

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大学院(ユーザー感性学専攻)では、前期は「感性価値クリエーション概論」とPTL(演習)、後期は「地域文化デザイン論」とPTLを担当します。
「感性価値クリエーション概論」では、昨年同様、ぼくの体験を基に「地域文化デザイン」「まちづくり」とは何かについて、話をします。前期のPTLでは「『まちの写真屋』を考える」をテーマにします。

フィルムカメラからデジタルカメラへの移行に伴い、昨今は、地域コミュニティの思い出や繋がりに関与し続けてきた「写真屋」が激減しています。写真を記録媒体や芸術表現としてのみではなく、コミュニケーションを媒介する装置と捉えなおし、生活文化としての写真・写真屋の歴史的考察やフィールドワークから「写真屋」の今日的意義を明らかにし、「写真屋」が持続していくための仕組みや商品、道具を最終的に提案します。

albus(アルバス写真ラボ)と連携しながら進めます。FUJIFILMさんにも協力してもらいます。現在調整中ですが、文化人類学的要素も入れていきたいと思っています。

そして、医学研究院の濵田先生が中心に進める、感性コミュニケーションコースのPTL「子どもホスピスプロジェクト」にもゲストで参加します。子どもの病気やいのちについて考え、子どもホスピスが社会に受け入れられる土壌をつくるためのアクションリサーチです。

ホスピスを知らない方は、こちらを参考ください。現在、日本には子どものホスピスがありません。この演習は、子どものホスピス作りに繋がる動きになるかと。科学研究費補助金も関与してきます。

このように、ぼくの場合は昨年同様、コースを越えて参加します。他の複数の演習にも関わることになるかと。デザインやまちづくりはいろんな局面で必要なので。今年もそんな感じで関わります。(無理ない程度に)

そして、インターンシップ。昨年度一年かけての制度設計を経て、ようやく実働していけます(苦労しました…)。インターンシップの特徴は、従来の就業体験型だけでなく「企画提案型」という選択も作りました。学生が自分の専門性や資質を活かして、企業・団体・自治体等(以下、事業所)を選び、問題を見つけ、その問題解決のための提案を事業所と協働して取り組むプロジェクトです。それに対して、インターンシップとして単位を付与します。

PTLは、教員が主導しながら複数人のチームで互いの価値観を摺り合わせ、社会の問題解決を目指す演習。一方、インターンシップは、学生個人の資質を活かしながら社会の問題解決を目指し、教員がフォローするイメージです。

実は、このインターンシップは、就職活動との繋がりも踏まえています。従来の就職活動は、事業所・大学双方にとってリアリティのないものになりつつあります(詳細は省略します。すいません)。端的に言うと、企業と学生との接点を日常的に創り出し、それが、学生にとって社会に必要な能力を育む機会であると同時に、就職のチャンスとしても見立てられればとも思っています。

とある冊子に、昨年のPTLで学生が提案した「感性ラボ」と、そのインターンシップとの絡みについて寄稿しました。PDFでアップしておくので、興味のある方は読んでみてください。

○大学教育… 専門教育の中の教養教育的要素の有用性を見極め、実践する
○大学と社会とのつながりを活かした教育… 学生の資質を活かした社会貢献と、社会で必要な能力育成の両立
○福岡テンジン大学をベースとした大学外の教育… 学びの場づくりによる、多様なコミュニティの醸成・横断

教育という点では、今年度はこの3つのフェーズを意識しながら振る舞っていくつもりです。研究は「こうのとりのゆりかご」とデザインとの関係を中心に取り組みます。

でわ。