trivial records

trivial recordsは2006年12月〜2011年7月に田北/triviaが綴っていたブログです。
すでに更新していませんが、アーカイブとして公開しています。

June 27, 2010

ここ数日、つぐみがとてもぐずっていた。昨晩は1時すぎても寝ない。絵本やおもちゃを何かと理由をつけて、かたづけない。寝たと思ったら4時すぎに起きて、とにかくだだをこねられた。

彼女はまだ言葉がままならない。ぐずって放つ言葉は、聞きとれない。だから、わがままだと思った。しつけが足りないのかと思った。分かりっこないと分かってながら、彼女に理由を問うてもみた。

終日一緒にいるアタモはさらに手を焼いていた。アタモへの申し訳ない気持ちも、彼女にあずけていた気がする。そして、仕事はすすまない。朝までにやらねばならない。どうしたもんかとソファで一緒に横になり、朝を迎えた。

夕方、アタモからメールが入った。つぐみがとある病気だとわかったと。

思い返される彼女の行動。以前、風邪をひいた時も同じだった。同じように彼女はぐずっていた。おとなですら、身体がつらいときはやさしくなれない。にもかかわらず、ぼくは、それを彼女の責任にすり替えてしまった。

反省したはずだった。でも、またやってしまった。冷静に思い返してみると、その時だけだ。彼女が執拗にぐずるのは、身体の具合がおかしい時だけなのだ。

アタモに電話した。つぐみの無邪気な声がうしろで聞こえる。電話を代わってもらった。あやまりたかった。アタモが「パパがごめんって」とつぐみに電話を渡す。つぐみが電話に出た。「パパ、ごめんね」と彼女は言った。

「パパがごめんって」を「パパにごめんって」と、勘違いしたのだろう。逆にあやまられてしまった。不意をつかれた。まいった。涙が出てしまった。

帰宅した。彼女は寝ている。いつものように半開きの口で、いつものように大きないびきをかいている。彼女は、決してぼくを拒絶しない。その限りない透明さは、奇蹟としか言いようがない。

 

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※追記:たいした病気ではありません。もう元気です!ご心配してくださったみなさん、ありがとうございました!
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