trivial records

trivial recordsは2006年12月〜2011年7月に田北/triviaが綴っていたブログです。
すでに更新していませんが、アーカイブとして公開しています。

阿波踊り

徳島レポート。徳島のみなさんにはとてもお世話になったのでしっかり書かなきゃね。ということで、2回に分けて。今日は1回目。

9月1日。その日はバタバタしながら福岡空港で日比野さんと合流、徳島空港に飛んだわけですが、日比野さんはその日、まず金沢(金沢21世紀美術館です)に、次に富山(ヒミングです)に、富山空港から徳島行きが出てなかったため、一端、福岡空港に来て、徳島へ…というスケジュール。尋常じゃないですね。福岡空港で会ったのは、17時ですよ。忙しいと思ってた自分がひまひまに思えてきました。

36人乗りのちっちゃな飛行機で、徳島空港に到着:写真。阿波踊りのブロンズ像が空港前に。ぼくにとって、最も美しい身体表現のひとつは、阿波踊りなんですが、その表現の瞬間が固められてます。ブロンズ像に特別興味があるわけではないんですが、これは面白いですね。

徳島空港までバスで迎えに来て頂き、上勝(かみかつ)町の傍示(ほうじ)へ。1時間ちょっとかかったかな。ここが今回の目的地。国文祭の一環で、上勝町では各字(あざ)毎にアーティストを招聘し、作品づくりをしています。

ディレクターは北川フラム氏。越後妻有トリエンナーレの時と同じですね。おそらく町長さんは越後妻有のイメージを持っておられるのかなぁと。んで、日比野さんの他には、みかんぐみの曽我部さんなども参加しています。ここらの詳細は、上勝アートプロジェクトのページを参考にしてください。あるいは、上勝アートプロジェクト〜里山の彩生〜ブログにて。

日比野さんが関わっている傍示では「いて座造船所」が作られ、間伐材を使ってでっかい船が住民のみなさんの手で造られようとしています。里山から出航する巨大船。とにかくでかくて驚きです。その詳細は少しずつ。

 

夕食

一泊お世話になるのは、地元のhさん宅。建設会社の社長さん、ということでとにかく家が広い。今回、傍示を訪ねた日比野クルー(と呼ぶことにします)は、ぼくも含めて5人なんですが、みんなが寝泊まりしても充分な広さ。お風呂や食事やお布団などなど、とにかく気さくにもてなして頂きました。ありがとうございました!

写真は地元のみなさんとの夕食の様子。日比野さんはめったに来れないから、メシを食いながらも打ち合わせ。いやぁ、うまかった。郷土料理が盛りだくさん。で、日比野さんとメシを食うとだいたい4時までは飲むことになるんです。大変です。この日は3時半だったので、少し(ほんとに少し)早かったですね。ちょっと離れると「たきたぁー!」と呼ばれますからね。大変です(2回目)。

長い宴を終えた後、部屋を移ってゆっくり就寝… のはずが、日比野さんの寝言と寝相のせいで、ぼくの睡眠時間は2時間だけだったことは、黙っておきます。あ。
そんな感じです。写真に撮って、ここにアップしようかなと思ったくらいです。

 

縁側からお庭を

朝です。朝日を見たかったので6時半起床。ここが泊まらせて頂いたお宅です。お庭の隅々まで手入れが行き届いてます。(もちろん日比野さんはまだ寝ています)

 

わん

夜は暗くて気づかなかったんだけど、犬がいました。おはよう。

 

船

このお宅の上に船が造られています。台風の時は心配でしょう。。船の上から手を振るのは、岐阜からやってきたTちゃん。元気やなぁ。

朝飯を食った後、造船作業に入ります。そんなこと聞いてなかったのでサンダルで来たんですが、まぁいいです。久しぶりの大工仕事は楽しそう。

 

でか

これです。でかいでしょ。全長20mですよ。この船を毎週土日、祝日に住民の皆さんで作ってるんです。山中なので、造船の技術があるわけでなく、もちろんみなさん仕事をしていて。それでも毎週、15人くらいは集まるらしいのです。

すごい。上勝町は人口2500人くらい。小国町の4分の1くらい。そして傍示は人口370人。旅館の従業員を合わせた杖立の人口と同じくらいです。最初は12mくらいに…という話になったらしいんですが、「どうせやるなら!」と20mに変更、もちろん日比野さんはめったに来れません。そんな中、ここまで造ってるんです。

とにかく、まとまりがいい。まず、町をあげてアートプロジェクトが実行できること自体、素敵。例えばあなたが住んでいるまちだったら可能でしょうか? どうでしょう。

昨晩、日比野さんと話したんですが、「アホみたいなこと、何だか訳わかんないことを一生懸命みんなでやれるのがすごい」と。それがやれたとき、まちは変わると。

基本的にアートって、訳分かんないもんなんです。訳分かる人ってごくごくわずかで。例えば、この傍示の方達で「なぜ船を造るのか」という答えを共有してるかというと、していないと思うんですね。それでも、楽しく、たまにつらい想いをしながら、淡々と船を造り続けてるんです。

普通は、これって何のため?とか、誰のため?とか、アートってさぁ…とか、そういうこと考えてしまって動きが止まりがちなんです。まず、まとまらない。特に田舎だと、あの人が参加するから…とか、そんな話まで出てきたり。でも、それを突き抜けるエネルギーが出てきたとき、はじめて何かが変化するんです。このエネルギーは「生きる力」とも言い換えられます。そこには、周囲への信頼が、強く在るのです。

来て良かったと思いました。ほんとうにそれだけで、来て良かったと思いました。
日比野さんに感謝します。寝相はつらかったけど。(まだ言ってる)

 

灯台

船の隣には朝顔に囲まれた灯台があります。中はトイレなんですが、灯台として作られています。もちろん、これも住民のみなさんの手で。

 

朝顔

船の手前にも朝顔が。これもすごいでしょ。傍示も明後日朝顔プロジェクトに参加してるんです。全国の14地域のひとつ。今回傍示で出逢った面々は、皆、朝顔でつながってるんです。

て感じで残りはまた明日。

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お知らせ。

9月7日、代官山のAITで、ビエンナーレについてのトークイベントがあります。
詳細はこちら:http://a-i-t.net/modules/bulletin/article.php?storyid=60

北九州国際ビエンナーレのディレクター、毛利さんと古郷さんが出演。
お近くの方はぜひぜひ。(ぼくは行けません)