さいきん、ラボに居る時間がながいので、いろんな方が訪ねてきてくれている。のがよく分かる。
今日は、こちらをいつも読んでくれてると言う人、ぼくの知り合いの知り合いという人、「次は杖立だと思うんですよね」とおっしゃる写真記者さん、など。
今までも、ぼくが知らないうちに訪ねてきてくれた人がいたのかもしれない。興味深く窓を覗いてくれた人が、いたのかもしれない。申し訳ないなと思う一方で、出逢うべき人にはいつか出逢うだろうなと、いい加減なぼくも居たりする。
室生犀星は「はじめて逢ふために人を捜してゐるのが そんなに変に見えるのでせうか。人間はみなそんな捜し方をしてゐるのではないか、そして人間はきつと誰かを一人づつ、捜しあててゐるのではないか」と詠んでいる。
ぼくもはじめて逢うために、人を捜し続けている気分はする。しかし犀星ほど積極的ではなく、何かに委ねている気分もする。それが何なのかは分からない。分からないままで、いいとも思う。