部屋に飾っている絵、というか、つぐみが水彩で描きなぐったもの。こんな絵がうちにはいくつか飾られている。
先日、つぐみがボールペンで何かを描いていた。「まぁるかいて、ちょんちょんちょん」と。今まで描きなぐるだけだったのが、丸の中に点々をレイアウト。ぼくは思わず「すごいなー」と、つぐみの頭をくしゃくしゃになでた。
昨晩。帰宅するとつぐみはすでに寝ていた。アタモが「つぐみ、すごいとよー」と3冊のスケッチブックを拡げて見せた。
わかるだろうか。50ページくらいあるスケッチブック、その3冊全てに「まぁるかいて、ちょんちょんちょん」を描いているのだ。涙が出た。笑いすぎで。得意げに次から次にページをめくっていく、つぐみのすました顔が思い浮かぶ。
さらに、この「まぁるかいて、ちょんちょんちょん」は「人」らしい。「これ、ママ」「これ、パパ」と指し示すそうな。笑いが止まらなかった。確かにぼくはあの時褒めたが、そのレスポンスが想像のはるか斜め上。
子育ては大変だ。ほんとうに大変だ。理解できない、伝わらない、あり得ない。そんなことが日々次々と、淡々と起こっていく。働きずくめのぼくに代わって、24時間つぐみと一緒にいるアタモはもっと大変。1人の自由は、全くない。
でも、だ。それでも、我が子が時折見せるこれらの振る舞いは、揺るぎのない濃密な色合いを帯びている。ぼくがこうしてブログに綴るのは、それはぼく以外の誰かと、この色合いを共有したいと強く願うからだろう。
子どもとはそういうものなのだ。親の手にはおえない。両手を思いきり、力いっぱいひろげても、届かない。だからこそ、かけがえのないものなのだ。