trivial records

trivial recordsは2006年12月〜2011年7月に田北/triviaが綴っていたブログです。
すでに更新していませんが、アーカイブとして公開しています。

あさがお

茶のこが7周年だそうで。おめでとうございます。

長かったんだぁ…と思っていたら、triviaも7周年だということに気づく。。知人6名に想い出を寄せてもらい、フリーペーパーを発行したのが、7年前の7月下旬(日にちは忘れた)。この7年間でぼくは成長しているんだろうか。

1「みんなのため」を理由に、ちっぽけに扱われていることがら
・公共性を制度で定義するのではなく、度合いで捉えること
・合意形成よりも、自分も含めた個人的愛着の保障を優先すること

2「専門分野(業種)」を理由に、ちっぽけに扱われていることがら
・専門分野を持たないこと
・「風景を創る」「風景を見立てる」「何もしない」という感覚で問題に取り組むこと

3「お金のため」を理由に、ちっぽけに扱われていることがら
・企業単位や行政区単位ではなく、居住区からの文化的拡がりを尊重すること
・経済価値に収束しない「まちづくり」に取り組むこと

これは、triviaを始めた時のポリシーのようなもの。自分が当時考えていた社会の矛盾だとか問題だとか。それを解決していくために、どういう「trivia=ちっぽけなことがら」に目を向けるかってことです。そして、そのためにはどうするかっていう。(今では講演のネタに…)

初心忘れるべからずってんで、何かに取り組む度、これにフィードバックするようにはしてるんですが… あれです。これに執拗に取り組んだら、社会不適合者です(すでに?)。「仕事」をして食っていくためのポリシーとして問題ありだし、物理的に身体が足りるわけありません。

でも当たり前、とも言えます。世の移ろいに左右されない普遍的な(つまり抽象的な)姿勢をポリシーにしようと、決意したのですから。20代半ば。まだ見ぬその先の茫洋とした人生に、無限の拡がりを錯覚していたのかもしれません。

この7年間で随分、日本のNPO(官・民の中間組織)も育ってきました。んで、(ある面では無責任な)地方分権が進んで民間が介入し、地方行政の「風景を見立てる」ためのデザインのクオリティーも上がってきたように思います。大学も独立行政法人化し、社会との接点が急激に増えました。というか、自覚しているこの変化の早さは、自分が無知だったことに起因する面もあるかもしれません。

企業もCSRが必須の時代に。環境への配慮も「美の形式」として市場に消化されつつある。一方、地域格差が拡がっている。経済格差を言い訳に、文化の格差が顕著になってきた。

社会は変わっている。命の短さも分かってきた。支えるべき人も増えた。そんな中でも、前衛ではなく、後衛でもなく、普通でありたい。「普通」の中に揺らめく襞の機微を、限りなく貪欲に見つめていきたい。その気持ちはいつまでも持ち続けたいなと思った7年目。夏。髪のびすぎ。

bgm: 思い出俄爛道 / 空気公団