昨日の日記のつづき。ということで。。
27日に福岡空港に戻り、そのまま福岡泊。翌日から北九州国際ビエンナーレのため、北九州に2泊。今回のビエンナーレのテーマは、ぼくなりに咀嚼すると「日常の中の戦争」と言えるものだった。それは「門司港レトロ」という記号に含意されたテーマでもあり、そういう意味で、フィールドの選択はとても説得性のあるものだったように思う。
ディレクターの毛利さんの言葉を借りるなら、2001年9月11日以来、ぼくらは第3次世界大戦のまっただ中にいるということになる。平和だと思いこんでいる日常に、戦争の(あるいはテロの)領域が染み出しているのだとすれば、それは非常に厄介な、だからこそ現代の芸術にこそ、その活路が見出されるのではないかと思わずにいられない。
その本意については、作品を観て、感じて、(できれば)帰りにカタログを購入して、思い巡らして欲しい。少なくともぼくにとっては、ハコの重い空気と解釈を委ねられた映像、ノイズ・パフォーマンスの気怠さは、その思索を供したものだった。
同時に、若い人たちはほんと芸術と政治との関係に疎いなぁと…。なんでそうなったんでしょうね。昔の人?もそうだったのかな。表現の意味や展示形式は、アーティストの政治観に関連してることが多いのに。地域という領域を前提としたローカルな目線が、領域が融解しているグローバルな政治の理解を遮っているような、そういうこともあるのかな。エンターテイメント性を芸術の全てとみるような、あるいは政治を安易に右と左に分けてしまうような、少なくとも表現に携わろうとする若者は、そうあってほしくないなぁと思ったりも。
2日後、ディレクターの古郷さん夫妻とシチリアからの参加アーティスト・フェデリコが杖立に遊びに。気に入ってくれたみたいで予定外の2泊。骨休めになったかな。