trivial records

trivial recordsは2006年12月〜2011年7月に田北/triviaが綴っていたブログです。
すでに更新していませんが、アーカイブとして公開しています。

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先週末は熊本へ。仕事帰りに、久しぶりに橙書店&orangeに立ち寄る。ヒサコさんがやけにニコニコ。どうやらしろつめさんが展示準備に来ているらしい。しろつめさんとは不思議なくらいに偶然会う。挨拶に上がったら展示用の素敵なキャンドルをくださった。もらいにきたみたいで申し訳ない…(ありがとうございます)。チョコレイトな展示は2/14まで。みなさんぜひに。

その後、橙書店を物色。途中、ヒサコさんがニコニコしながら「とてもいいんですよー」と一冊の絵本を差し出してくれた。写真。アジサカさんが、とても大切な本だと教えてくれたそう。
これが… すごい。うれしくってどきどきした。表現という意味では、ぼくが今まで目にした絵本の中で1番だと思う。

テキストは全くない。異次元の世界はもちろん見たことはないけれど、見れたとするなら、きっとこんな感じだと思える。2次元の確かさ、つまりマテリアルとしての本を丁寧に活かしながら異次元へと誘う。というより、異次元を強調させているにも関わらず「本」であることを忘れさせない、という表現が正しいかもしれない。「時間」に対する挑戦が至るところに散りばめられている。緻密で優しげなタッチが恐ろしくも見える。

作家のShaun Tanは、オーストラリア人。残念ながら日本の出版社からは出ていない。見せてもらったのは仏の出版社のもの。アジサカさんは仏にいらっしゃったので、そこで手にしたのだろう。ということも想像されるだけに、殊に感慨深い。調べてみると米の出版社からは「The Arrival」というタイトルで出ている。内容の詳細は書かない。興味のある人はぜひ見てほしい。言わずもがな、ぼくは早速注文した。

この日は4冊購入。「日本のいきもの暦 / 日本生態系協会」「いずれは死ぬ身 / 柴田元幸 編訳」「須賀敦子を読む / 湯川豊」「吉本隆明歳時記 / 吉本隆明」。
橙書店を出る時はいつも、テンションが上がる。ヒサコさんがニコニコしながら薦めてくれる本は、確実にぼくの心を捕らえるし、探し当てた本をいつ読もうか想像するだけで、楽しい。

橙書店は今日で丸2年。 わざわざぼくが言うまでもないけど、取次を介さず、ここまでの本棚を見立て、継続させていくのは相当なことだ。まだ行ったことがない人はぜひ訪ねてほしい。どの本を選んでも、あたたかみがある。必ず生きる糧になるはずだ。

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土曜日は石川さんのとこで講演。 めぐみさん中川くんオカダン夫妻など、塾生以外の人たちもたくさん来てくれた。どうもありがとう。周到に(と言っておく)準備した資料を全て忘れるというヘマをしてしまったけど… keynoteだけで何とか乗り切った。

懇親会では、塾生の熱い想いをビシビシ感じた。あ、次の日まで持ち越した悩める学生の熱い想いも。
みなモチベーションが高いし、デザインに対して真摯に向き合っている。こういう人たちが気持ちよく仕事ができ、正当な評価を受けられる社会になってほしい。そしてそのためにぼくもまだまだがんばりたい(当たり前)。逆に元気をもらった充実した時間でした。