trivial records

trivial recordsは2006年12月〜2011年7月に田北/triviaが綴っていたブログです。
すでに更新していませんが、アーカイブとして公開しています。

格闘中

セイジさんのブログにジュンコさん登場、の様子。奥がセイジさんで手前がジュンコさん。詳細はこちら喫茶ジュンにて書き込んでます。なんと無線LAN! 移住した時からは想像できないですね…(未だにISDNですけど)。

ちなみにジュンコさんは
「今どこおっとね」(訳:どこにいるの?)
→まず電話でぼくが杖立にいることを確認し、呼びつける
「ん?これどがんすっとね。やってみらん?」(訳:どういう風にするの?やってみてよ)
→さりげなくぼくにやらせようとする
「ん?何なこれ?これがすかんったいねー」(訳:これよ。これ。これが嫌いなのよ)
→あたかもパソコンが悪いように振る舞う
「これだけんいかんっちゃんねー。ねぇ?」(訳:これだから、うまくいかないのよ。ねぇ?)
→最終的にパソコンの責任にし、同意を求める
とまじめに?パソコンと格闘しています。(もちろんぼくはこの同意をかわします)

最近はとくにいろんな方からヘルプの電話があり、ずいぶんICTリテラシーが上がってきている気がしてます。サイト作成や、楽○・じゃ○ん等の各種登録サービスについての相談が多く、「ネットにつながらない」というものも。時には「プリンタが壊れた」など。とある方からは「通販で伊東美咲のカレンダーを買いたい」と。ぼくは杖立に何をしに… と自問自答する以前に、その方が70歳を超えてらっしゃるから驚きです。もちろんぼくのおすすめカレンダーを…略。

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さて(さて?)。昨日は、「小国ブランド創生プロジェクト」の意見交換会でした。町内から代表者10名程度。九州大学(旧九州芸術工科大学)の芸術情報学科から先生4名がいらっしゃいました。

小国町は九州大学と連携し、地域イメージに明瞭性・一貫性・継続性を持たせ(つまりブランディング)、それをベースに町のポータルサイトを作ろうとされています。ひとつの特徴は、小国町の「地図そのもの」にブランドアイデンティティを持たせようとしているところ。VIの観点から、地図やそれに付随する施設のピクトグラムのデザインまで取り組まれています。

複数の研究室が関わっていることもあり、システムからインターフェースデザインまで一貫して取り組むことが可能です。そういう意味で、今後が非常に楽しみなプロジェクトです。

現時点では、システム開発と情報構造の整理にウェイトがあり、地域イメージを共有し、インターフェースデザインに落とし込むのはこれから…という感じみたいですね。トップページから地図を用い、特に観光客の初期行動を基点に情報を振り分けていきます。地図にはGoogle Maps APIが使われ、観光客のブログ記事を口コミ情報として落とし込む…という感じです。

ぼくの記憶が正しければ、7,8年くらい前から地図と地域情報とを連携させた試みが始まったように思います。この時以降、ネックになっていたのは、地図の著作権と破格の…値段。GISを用いた地域情報のデータベース化の閲覧も、ネット上でなく固定端末に限られ、研究のデータベースとして使えても、「まちに人を誘うツール」としては非常に使いにくい状況でした。

そういう意味で、Google Maps API(他、類似するAPI)の公開は画期的でした。今ではいろんなサービスが溢れていますね。特にブログとの連携は多岐に渡ります。Google Maps の功績は、「民間サービス」が「地図=まち」という発想を持ち得る契機となった点だとぼくは思います。

特に昨年から「まちという拡がり」の魅力を伝える媒体が一気に増えました。セイジさんが書かれているGazoo.comもその一例ですね。今後もカーナビや携帯等、複数メディアとの連携サービスがいろいろと見られるでしょう。国の支援も充実しつつあります。

その中でぼくが(世間に)期待するのは、ブームを少し離れて、改めて「地図」を活用した事例が増えてほしいなぁということ。インターフェースとして見たときに、Google Mapsではない方が適切であることが多いにあります。例えばGoogle Mapsで杖立を見ると「路地裏」は見えないんですね。地図も都市域と比して長い間更新されていない。

例えば地域によっては、地図をカスタムするか(自ら作成した地図にてGoogle Maps APIを用いることも可能。余談だけど地図じゃなくってもいいわけだから、写真やイラストを見せるシステムとして活用も可能)、Flashで作った方が適しているとも考えられます。ナローバンド環境でGoogle Mapsの閲覧が厳しいってのもありますし。こういう地域ってたっくさんあるんですね。んでそういうとこが得てして「まち」の問題を抱えている(地域格差)。そして地図に載ってない情報こそが、新鮮。

んで、Google Maps APIを活用し、さらに高次なサービスがもっとみられるといいなぁとも思います。ここが良い例ですね。例えば、地図をベースにゲームをしながら、植林活動に関与できるプログラム等を提供しています(これに関してはGoogle Earth)。

コミュニティ醸成や情報発信だけでなく、「まちという拡がり」から生まれるエンターテインメント性を「地域の問題解決」と何気に?リンクさせる取り組みがもっと生まれてほしいなぁと。Google Maps APIが公開される以前から、地図を用いた秀逸なサイトはあります。そういうものからエッセンスを得て、特に行政主体でコストパフォーマンスの高いプログラムが増えてくれるといいなぁと思います。

「小国ブランド創生プロジェクト」に戻ります。
このプロジェクトでは、地図を複数パターン用意するとのこと。この点、非常に興味深いです。観光客の行動に即した地図のパターン(それはつまりブランディングに直結する)を複数用意し、情報を提供するのです。こういうことやってるとこはないんじゃないかな。たぶん。他分野の研究にも派生できそうですね。

ポータルサイトだけに、特に情報の見せ方(情報のボリューム・選別の地域での共有、およびインターフェースへの反映)が解決できたら非常に面白い、それも田舎らしい非常に良いサイトになるんじゃないでしょうか。あとは運営ですね。サイト設計とブランディングは専門家に頼って?、当分は、運営に関わる問題に小国町は集中したらどうかな。。と感じた次第です。

特にウェブサイトの善し悪しの判断は、例えば景観の善し悪しと違って、経験の差が大きく左右します。住民参加型「景観づくり」と同じような感覚でプロジェクトを進めるとなかなかスムーズに進みません。そして、このサイトがよい方向で実現していくには、おそらく結果として、結構な運営タスク(更新そのもののタスクというより、更新に関わる情報共有等のタスク)が生じます。初期段階から運営を鑑みたプロジェクト進行が必要な気がしています。